中支部で「令和元年度振興対策事業研修会」
食中毒対策など3つのテーマで
愛知県社交飲食組合は、令和元年度振興対策事業として「①食中毒対策②防犯と遵法営業③シャンパン」をテーマとした研修会を2月12日に名古屋ガーデンパレスで開催しました。
テーマ① ノロウイルスによる食中毒対策
手洗いを念入りに
ノ ロウイルスの感染経路は多様だが、ウイルスを食品に付着させないためには、手洗いを十分に行うことが最も有効。特に、調理前、食事前、トイレ後、オムツ交換後、吐物処理後は念入りに洗ってほしい。次の手順で2回繰り返すと効果が高い。
① 爪を切り、時計や指輪を外し、石けんとペーパータオルを準備する。
② 水で手を濡らし、石けんをつけて手のひらをよくこする。
③ 手の甲を伸ばすようにこする。
④ 指先と爪の間をこすり、指の間、親指を念入りに洗う。
⑤ 手首も忘れずに洗う。
⑥ 十分に水で流す。
消毒は薄めた漂白剤で
吐物には大量にウイルスが含まれ、半径2メートルくらい飛び散る。処理時には、マスク、手袋、エプロンを着用する。靴の裏に付着しないよう、なるべく遠くから中心に向かってペーパータオルなどで寄せ集めて取り除き、ビニール袋に入れて処理をする。
床やドアノブなどの消毒には、次亜塩素酸ナトリウム(キッチン用の塩素系漂白剤)を水で薄めて使う(2リットルのペットボトルにキャップ約2杯)。まな板などの調理器具は、熱湯か次亜塩素酸ナトリウムで消毒を。
調理する人に下痢や嘔吐などの症状がある場合は、ノロウイルスに感染している可能性があるので調理を控える。症状が出ない人もいるので、誰もがウイルスがいるという前提で手洗いをしっかり行い、食品の汚染や他の人への感染を防いでほしい。
テーマ②防犯と遵法営業
体感治安は悪化?
昨年の愛知県の刑法犯認知件数は4万9959件。前年より9・3%減少し、住宅対象の侵入盗は12年連続の全国ワーストから脱却できた。犯罪の件数自体はピーク時(平成15年)の4分の1以下に減ったが、体感治安は悪くなっているかもしれない。理由としては、街頭犯罪がかなり減少した一方で、特殊詐欺やサイバー犯罪、ストーカー、ドメスティックバイオレンス、児童虐待などが増えているからではないか。
店内に現金を置かないで
繁華街においては、客引きやぼったくりの問題がある。客引きに対しては、警察は住民の方と一緒にパトロールしたり、名古屋市条例に基づいて指導員と合同で取り締まりを行っている。居酒屋やカラオケ店の客引きが多く、大学生などがアルバイト的にやっている。逮捕実績を積み重ねていきたい。ぼったくり被害は、防止条例ができてから大幅に減ったが、昨年は約500万円の被害事案があり、喝と詐欺で検挙した。
今年に入って中署管内で目立つのは、侵入盗と自動車盗。侵入盗は店舗や事務所の売上金を狙ったもので、出入口のガラス部分を割るなどして侵入している。現金をお店に置かないようお願いしたい。自動車盗の被害は全部レクサスで、深夜分間くらいの犯行。被害の中でハンドルロックされた車は半分以下。ハンドルロックは、ダッシュボードに固定するタイプのほうがよい。
風営法などの遵守を
風営法では、①接客従業者の確実な身分確認(1日のみの就業も対象)②変更事項が発生した場合の確実な届け出③廃業した際の確実な届け出などが義務づけられている。また、健康増進法の一部改正により、受動喫煙防止のため4月1日から営業所内は原則禁煙となる(客席面積100㎡以下の場合は経過措置)。
テーマ③人気が高まるシャンパーニュ
ブドウ品種は主に3つ
シャンパーニュ(シャンパンとは、フランス北部のシャンパーニュ地方で、瓶内二次発酵という製法で作られているスパークリングワインのこと。それ以外のスパークリングワインはヴァン・ムスーと呼ばれている。日本におけるシャンパーニュの市場は年々伸び、世界的にも人気が増している。
シャンパーニュ地方では、5つの地域でブドウが生産されている。主に使用されるブドウの品種は、シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエの3つ。収穫は基本的に手摘みされる。4トンのブドウから2550リットルの果汁が搾られ、第一次発酵でベースとなるワインが醸造される。ゆっくり熟成させ、すっきりした味わいを出している点が大きな特徴である。
瓶内二次発酵後に熟成
ベースのワインをブレンドしたあと、瓶詰めする際に酵母と糖分を加えて栓をすることによって二次発酵が行われる。熟成期間は、ノンヴィンテージがカ月以上、ヴィンテージはカ月以上で、ヴィンテージはブドウのできの良い年だけ作られる。その後、瓶を逆さにしてオリを集める「動瓶」、オリを凍らせて取り去る「口抜き」を行う。最後に甘みを調整するために糖分とシャンパーニュの古酒を添加するが、糖分の添加はシャンパーニュだけに認められている。
王室御用達「ランソン」
「ランソン」は、創業250年以上の名門シャンパーニュメーカー。名古屋市と姉妹都市提携をしているランスにある。熟成は、最低3年間行われる。英国王室の御用達であり、またテニスのウィンブルドン選手権の公式シャンパーニュとして世界中の人々に親しまれている。コンテストでの受賞歴も豊富。ラインナップは、ブラックラベル(参考価格6、000円)、ロゼラベル(7、800円)、エクストラ・エイジ(11、500円)、オーガニック(10、000円)。
グラスは広口と細長
スパークリングワインは、食事に合わせやすい。魚介料理はもちろん、肉料理の場合も炭酸が口の中の脂を洗い流してくれる。最適な提供温度は6〜8度、高級品は8〜度。
グラスは、広口の「クープグラス」と細長い「フリュートグラス」がある。クープグラスは、少し傾けるだけで飲むことができ、パーティーで幅広く使われている。フリュートグラスは、かなりあごを上げて飲まなければいけないが、立ち上る泡を楽しむことができ、レストランで多く使用されている。現在は、少し口が広めのフリュートグラスが主流になっている。